セローの乗りやすさは分かっていますよ

昨年12月、セロー250がファイナルエディションとなることが発表されました。

2017年に一度生産中止となり、2018年に規制に対応して復活を果たしたので、当面は安心と思っていたので、オガP的には青天の霹靂でした(個人の感想です)。

セローの乗りやすさについては、私がいまさら説明するまでもなく皆さんご存知だと思います。35年の歴史についてざっと書きますと、セロー225として1985年にデビューして、2005年に排気量をアップし、セロー250へとフルモデルチェンジ。その後、フューエルインジェクション化、法規対応などを行なって、2019年にファイナルエディションに。現状のスリム&コンパクトな車体では、ABSや今後施行予定への対応が難しいこともあって、生産終了となってしまいました。

35年に及ぶ長い歴史の中で、排気量を225から250へとアップしましたが、これはパワーアップを狙ったものではありません。厳しくなった排出ガス規制をクリアしても、極低速トルクの太さを損なわないためと、高速巡行性能を高めるため、が主な目的です。

車格は少しだけ大きくなりましたが、ハンドル切れ各左右51°というトライアルマシン並みに取り回しのよさと、830mmに抑えられたシート高がもたらす抜群の足着き性は変わらずに継承されました。セロー250が登場した当時は、「大きく重くなった」という声も聞かれましたが、セローらしい軽快な乗り味、足着き性のよさ、抜群の取り回しやすさは健在だと私は思いました。

それでも購入に至らなかったのは……

90年代の半ば頃、私はホンダCRM250Rに乗っていました。当時はエンデューロレース(サーキットエンデューロがメインでした)が毎週どこかで開催されていて、国産4メーカーもエンデューロレーサーレプリカの2ストトレールを排気量別に何車種もラインナップしていました。それらのラインナップの中でも、CRM250Rは低速トルクが太く、パワー特性もスムーズで、「乗りやすい」「扱いやすい」と評判でした。もちろんアクセルを開ければ2ストらしい加速やパワーも発揮されます。

1994年にフルモデルチェンジしたCRM250R。「PROSPEC ENDURO」のキャッチフレーズを持っているが、乗りやすい2スト250として人気だった。私の愛車はまさにこのカラーでした。

そんな乗りやすさに定評あるCRM250Rでしたが、私は乗りこなすことができず、身の丈に合ったバイクでテクニックを磨こうとSL230に乗り換えたのです。あれ、セロー225じゃないの? と思うでしょう。

セロー225の乗りやすさは分かっているのですが、自分的に気になる点があったのです。それはライディングポジション!

オフロードでの高い走破性を発揮するためには、最低地上高を高めることが有効ですが、そうなるとシート高も高くなってしまう。シート高を上げず、最低地上高を高めるためにセロー225はバックステップを採用していました。これが良好な足着き性とスタンディングでのマシンコントロール性を両立する要因になっていたのです。と、いいこと尽くめですが、シッティング時のヒザの曲がりがキツく感じ、林道に着くまでに疲れてしまうことが多かったのです。私は身長174cm弱(当時)の短足胴長の日本人体形ですが、ヒザの靱帯を断裂していることもあって、もう少し楽なライディングポジションがいいなと思っていたのです。そこにはまったのがSL230だったのです。

SL230はシート高805mmとセロー225の810mmよりも低かったけれど、ヒザの曲がりがきつくなく、楽なライディングポジションをとれたからです。その代わり、最低地上高はセロー225の285mmから255mmと下がり、そのグラウンドクリアランスの少なさを突っ込まれることが多々ありました。SL230でエンデューロレースには出場しませんでしたが、林道ツーリングやアタックライディングでグラウンドクリアランスの少なさを感じたことはなかったですけどね(個人の感想)。

で、セロー250ですが、やっぱりバックステップで、それがオフロードでの走破性の高さになっているのは充分に体感できます。とくにトレッキングやマディなど、条件が悪くなるほど高い走破性を発揮してくれるし、そうした場所で乗るならセロー一択だと思っています。高速巡行性能も250になって飛躍的に向上したし、とくにインジェクション化されてからは巡航速度も上がりましたしね。

と、セロー250は完成の域に達しているし、オフロードビギナーだけでなく、オフロードに興味を持った人にはオススメの一台なのは間違いありません。今なら新車で購入できますしね。個人的にも「一度は所有しておくべきだな」とは思っているのです。さらにシンプルな作りのトリッカーにも興味津々です。でも、気になるのは一点、ヒザの曲がりのキツさ(あくまで個人的な意見です)。

ただ、それだけが理由でセロー250に乗らないのはもったいない。繰り返しますが、新車購入できるラストチャンスですしね。ということで、ヒザのことを気にせずに、セロー250を楽しめる方法を10月6日発売のゴー・ライドで探ってみようかと思っているところです。

これって10月6日発売のゴー・ライドの前振りでは? と思ったかた。

正解です!

ということで、次号は10月6日発売です。

どうぞよろしくお願いいたします。

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