Fantastic FANTIC 第2話:ライダーをうならせる魅力

昨年末にモータリスト合同会社として新しいスタートを切った「ファンティック」「ランブレッタ」「SYM」などを取り扱うモータリスト合同会社。その陣頭指揮をとる野口代表がファンティックへの想いを綴っている人気コラムがWEB版に掲載。

野口代表自らが、Fanticへの想いをつづる!

バイクを買う時、重要なポイントがいくつかあります。価格。スタイル(デザイン)。価値。もちろん、ほかにもたくさんあるのでしょうが、ライダーが本当に欲しいバイクを選ぶ時に最も重要なのは、この3点。ファンティックはそう考えて、キャバレロを仕立て上げました。

スクランブラーにはそのすべてが込められています。真横から見て美しいタンクからシートへのつながり、タンクのラインとシートのカットライン、そこから流れるサイドカバーへのライン。デザインのディテイルにスキがないから、どの角度から見ても破綻しません。小ぶりな丸形のテールランプは、初代キャバレロから続くヘリテイジ。こうしたこだわりは、小さく丸いダッシュボード(メーター)にも表現されています。いずれも、現代の技術であるLEDや多機能性を込められ、ただ単に郷愁だけを目的にしたデザインではありません。ラジエーターシュラウドも面を生かしながらアルミ風のレトロな仕上げにこだわりました。フロントフェンダーを支えるステーをあえて見せる極めて凝った作りに仕上げたところも、コスト至上主義にありがちなそっけなさへの反動といってよいでしょう。一見して分かるARROW製のエキゾーストやドライカーボンで作られたヒートシールドには、物としての価値を大切にする姿勢が明確に伝わります。ライダーにとっては何よりも大切な、いつも視界に入るトリプルクランプは上下ともにアルミ切削部品を使い、価格をはるかに超えた価値を見せつけています。スイングアームとエンジンを挟み込むメインフレーム後端のピボットプレートもまた、アルミニウム切削仕上げ。前後を支えるハブも、切削面を魅せながらリムに合わせたブラックに塗装されたフィニッシュを見せ、こうした細やかなディテイルへの情熱がよく分かる仕上がりなのです。太く力強いフロントフォーク。アウターチューブのゴールドは、サイドカバーのイエローとバランスされ、視覚上の重要なアクセントになっています。ストリートモデルとして作られながらも、オフロードでの走破性を想起させるブロックパターンのタイヤを標準で用意しているところもまた、オフロードにルーツを誇るファンティックならではのこだわりでもあります。

オフロードへのこだわりは、見た目をはるかに超える軽さにも示されています。一見がっしりとした作りのスクランブラーは、そうとは思えない軽さで初めてまたがった人々を驚かせます。スペック上で140㎏の車重は、高すぎない車高とのバランスからも想像以上の軽さを感じさせてくれますし、走らせてもその軽さが演出する小気味よさ、シャープなハンドリング、オフロードでの扱いやすさに、スクランブラーならではの作り込みを実感できるのです。ただ軽快なだけではなく、のびやかでありながらもトルクフルなエンジンは、低速での粘りも抜群。125/250/500のどの排気量を選んでも、基本的なキャラクターは不変なのも魅力です。もちろん、小気味よくアクセルを開け放って楽しめる125と、スロットルの捻りかた一つで簡単に車体を思うがままに動かせる豪快な250とは楽しみかたは大きく異なります。中間の250のバランスのよさが光るシーンでもありますが、ライダーの環境、予算あるいは使いかたでどれを選んでも悔いの残らない設定というのもまた、キャバレロ・シリーズの魅力なのです。

1970年型キャバレロ50のテールランプ。小型の丸い形状は、最新スクランブラーも受け継いでいる。単なる懐古趣味ではなく、自らの歴史に対するリスペクトを細部に込めているのだ。
クラシカルなイメージにまとめつつ、デジタルメーターはトリップメーター、タコメーターといった機能を装備。トリプルクランプは切削部品を使い、美しいフィニッシュと剛性を両立。伝統と最新機能をみごとに調和している。

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