automatic

7回目のベルで受話器……、受話器と聞いても分からないか?
宇多田ヒカルの「automatic」がリリースされたのって1999年だから、
もう20年以上前ですものね。

さて、そのautomaticから遡ること15年。17歳で中免、
20歳で普通免許を取得した私は、免許取得以来バイクもクルマもMT主義者でした。

が、NC700X(750になる前の初代)の試乗会でDCT(Vベルトではなくデュアルクラッチでスムーズなギヤチェンジを行なってくれる機構)を体験し、反ATの気持ちが揺らぎ始めたのです。
だって、変速はスムーズだし、ほしい時にエンブレが効くし、加速したい時はシフトダウンしてくれたりと、
今までのATとは異なり、走る楽しさがちゃんと考慮されていたからです。

アフリカツインに搭載されているDCTシステム。油圧で2つの(デュアル)クラッチを作動させるトランスミッションなのでDCT。

で、その後DCTはアフリカツインにも搭載されるのですが、その変速パターンはさらにライダー自身の操作(というよりも志向、それとも思考か)に近くなって、自分でクラッチ操作するよりもスムーズな走りを提供してくれるまでに進化していたのでした。

私、50を過ぎたオッサンですが、この技術の進化を認めないわけにはいきません。
もちろんオッサンになって楽をしたいという気持ちがないわけではないですが、
もう自分でクラッチ操作するより、最近のATのほうが変速が上手い! ということを
認めた次第であります。

バイク歴34年で初めて気づく……

昨年、初めて乗ったPCX150。速くて快適で、ベストセラーなのが分かります。

ATの快適さを知ってしまった私は、クルマもATにしてしまいました。
一度ATのクルマにしてしまうと、もうMTには戻れませんね。
子どもが独立したら、遊びクルマとしてホンダS660がほしいなんて思っているのですが、
MTではなく、CVTにしようかな? なんて考えるほどです……。

話が逸れました。

と、ATの快適さを知ったとはいえ、私はオフロードマシン総合誌の編集に携わっていることもあって、
バイクに乗るならやっぱりオフロードマシンなのです。
が、昨年末にスクーターに乗る機会が訪れたのです。

ホンダPCXで都心を出発し、房総半島の鋸山辺りへ向かうという日帰りツーリングだったのですが、原付二種なのでオール下道。スクーターに丸1日乗るのは免許取得以来34年目で初の出来事でしたが、これが本当に楽ちんでした。4スト125を感じさせない素早い加速感、アクセル操作だけのイージーライディング、バックパックいらずのシート下収納スペースなどなど、原二スクーターがこんなに快適だと思っていなかったし、ツーリングが楽しめるとも思っていなかった……。スクーターの利便性と快適性を知らなかった34年間を返してほしい!

と、そんな体験をしたので、ADV150の新車試乗会には二つ返事でお邪魔し、舗装路だけでなく、林道も走ってきました。ADV150はPCXよりサスストロークを延ばしているので、フラットな林道なら走行可能でした。そして150なので高速道路も通行できる。これは林道ツーリングでADV150の実力を試さなくては! ということで、実際に林道ツーリングを行なった記事はゴー・ライド第7号に掲載しておりますので、ご一読いただければ幸いです。

で、ADV150は市街地で軽快だし、高速道路もストレスなく走行できるし、ちょっとした林道なら走破もできる。総合的な使い勝手を考えると、1台あると便利だなぁ、と痛感しているところです。が、その後に乗ったCT125・ハンターカブのリラックスした乗り味も捨てがたい……。いやいや、スクーターの楽しさに気づいたばかりだから、もう少しいろいろなスクーターに乗ってみてから判断してもいいのでは? なんて、思い始めたところで、ランブレッタV200のことを思い出したのです。V200はダカールレジェンドの三橋淳選手がアウトドア仕様にカスタムして、林道ツーリングからオフロードでのフリーライドまで楽しんでいたし、鉄フレームのしっかりした車体の乗り味がどんなものかも気になる。ということで、近いうちにV200で林道ツーリングに行ってみようと思っているところです。

50歳を過ぎても新たなバイクの楽しさを見つけられるなんて、私、幸せなバイクライフを送っているのでは?
なんて、ちょっと悦に入っていたら、15年来の愛車XR250のバッテリーが上がっておりました……。

 

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