先日、カワサキKMX200に乗る機会を得ました。1988年モデルだったかな?
その存在は知っていましたが、乗るのは初めて。外装は経年変化でヤレていましたけれど、
エンジンとサスには不具合がなく、キック1発で始動し、アイドリングも安定しているグッドコンディション。
私、2ストは嫌いなのですが、仕事柄もあってそれなりの台数に乗ってきた経験だけはあるんです。
むしろ、いろいろな2ストに乗って、扱いきれないというのが分かったからこそ、2スト嫌いになったというか……。ともあれ、30年以上前の2ストなので、低速トルクはスカスカで、回転上昇はピーキーで乗りにくいんだろうな、と思っていたのです。ところが、走り出してすぐに、
乗りやすい!
アイドリングが安定していてエンストしそうな雰囲気は皆無。
低速トルクの粘りもあって、発進に気を遣うこともありませんでした。
シート高も低くて、両足はベッタリと地面に着けるし、さらに車体も軽い!
で、発進から加速していくと、
速い!!
最新のKTMやベータの2ストレーサーと比べると、その加速はマイルドだし、
YZ250Fといった最新4ストレーサーのほうが速いし、体感的にはWR250Rのほうが速いかも。
でも、足着き性がよくて車体は軽くて、ピーキーさがなくてストレスのない加速を発揮する。
こうしたバランスのいい扱いやすさは、ちょっと思いつかない感じ。
セロー250の扱いやすさのまま、加速性を1.5倍くらい向上させた感じ?
フロントブレーキの効きは甘かったけれど、自分の中の2スト観が大きく変わりました。
1988年はレーサーレプリカが大人気で、その勢いはオフロードマシンにも波及。
エンデューロレースの人気が高まっている時期でもあり、ナンバー付きモデルもレーサーレプリカが主流になっていましたね。
MTX200RはCRM250Rへ、DT200RはDT200WRへ、KMX200はKDX200SRへ、TS200RはRMX250Sへ、
といった感じで。
私も画像と同じカラーのCRM250Rを所有していました。
乗りやすいといわれていたCRMですが、KMXと比べるとCRMはかなりレーシー。
DT、KDX、RMXはさらにレーシー。KDXは220が登場しましたが、やっぱりレーシーな方向。
CRMはARになり、さらにマイルドになりましたが、車体の大きさもあって扱いきれる気がせず、
DTはランツァになって足着き性が向上し、セルも装備して、かなり扱いやすくなったものの、
サス性能が……。
今だったら、ARもランツァも当時より楽しく乗れそうな気がしますが、
そう考える人は少なくないようで、車両価格も高めで推移していますね……。
いずれにせよ、排ガス規制をクリアできず、国産メーカーの2スト・トレールは生産終了となってしまいましたが、KMXのようなレーシーではないのに速い2ストが当時も多くラインナップしていれば、ちょっと違った未来もあったのでは? なんて、KMXの登場から33年後に思ったのでした。
KTMフリーライド、BETAクロストレーナー、古くはGASGASパンペーラといったモデルが登場するのも、
トレール以上レーサー未満のいいとこどりを狙っているからでしょうけど、
それでもKMXよりは遥かにレーシー。
ダラダラと取り留めのない文章になってしまいましたが、
気になるマシンがあるのなら、乗れるうちに乗っておこう!
そして、乗ってみてから判断しよう!
乗らずにケチをつけたり、買わない理由を探すのは、つまらないですからね(無理やりまとめた風)。
いや、それにしてもKMX200。軽くて速くて乗りやすくて、ちょっとビックリでした。