Fantastic FANTIC 第7話ファンティック・レーシングに注目を!

ここ数年、国内メーカーのトレールバイクの選択肢が激減しているなか、その選択肢として検討されることも多くなってきたファンティックブランド。ここでは、そんなファンティックへの想いを国内総取扱い元モーターリスト代表が熱く語り尽くす人気連載コーナー「ファンタスティックファンティック」、その第7話をお届けします。

FANTIC日本代理店「モータリスト合同会社」の野口代表自らが、FANTICへの想いをつづる!

ファンティックという会社は創業以来、キャバレロ・シリーズというスクランブラーで一般のお客さまにお楽しみいただきながら、さまざまな形で競技の場にもコミットしてきました。中でもファンティックの名を高めたのはトライアル。ビンテージ・ファンの間ではよく知られていますが、トライアルでファンティックの名前を知った、というかたも少なからずいらっしゃいます。

ファンティックがトライアル全盛を誇ったのは1980年代。82年に本格的なトライアルモデルを世に出し、いきなり世界選手権トライアルで3位に入賞します。85年には、初めてモノショックのリヤサスペンションを備えたモデルをデビューさせます。日本メーカーも続々とモノショックに移行していたタイミングでしたが、ファンティックが抜き出ていたのは、フロントにディスクブレーキを採用したこと。このモデルで、ファンティックは初の世界チャンピオンを獲得。ライダーはティエリー・ミショーでした。ミショーはさらに86年、88年とチャンピオンを獲得。トライアルの世界をリードするブランドとして、ファンティックの名を確たるものとしたのです。この時代のチャンピオン・レプリカといっていいモデルは、モータリスト・ファクトリーにも展示されていますから、ぜひご覧になってください。もちろん実働モデルで、先日もスタッフが乗ってトライアルごっこに参加してきたばかり。遊びで乗る分には、今も充分以上の戦闘力を備えているのですから、いかに当時としては進んだモデルだったのかが窺えます。

トライアルの成功で名声を高めたファンティックが、初めてファクトリー・チームを結成してモトクロスに取り組んだのは1975年。以来、レースへのコミットメントは絶えることなく、今もレースモデルに対する思い入れは並々ならないものがあります。日本では未発売のモデル、XX/XEシリーズがそれ。ベースモデルとなったヤマハYZシリーズのポテンシャルの高さと信頼性の高さを背景に、レースでも活躍中です。

昨2020年から始まったファンティックによるレース・チャレンジは、その初年度に二つのジュニアクラスのタイトル獲得という成果を成し遂げ、いきなり注目を集めることになりました。2021年には選手層を広げ、参戦クラスも125㏄のみならず250㏄クラスでも活躍が始まっています。ファンティック・レーシングの活躍は、モータリストのホームページやメールマガジンでお知らせしていますから、ぜひご覧になってください。そんなファンティックのレースモデルに、さらに注目度が高まること必至なのは、発売されたばかりの「レース・キット・パーツ」です。ファンティックが開発し、昨年、今年とヨーロッパ選手権や世界選手権モトクロスなどを席巻したレースパーツを、一般のお客様向けにも用意したのです。

え? でもファンティックのコンペマシンなんて買えないって? いやいや、キットパーツにはピストン、シリンダーやヘッド、CDIやチャンバーなど、フルにマシンの性能を高めるパーツがてんこ盛り。ということは、ベースマシンであるYZをリフレッシュしたい、なんていう現行ユーザーにとっての福音にもなってしまうというわけです。コンペティションモデルですから、こまめなメインテナンス、スケジュールを決めたオーバーホールが必要ですが、そのタイミングで一気にレース・キット・パーツでリフレッシュしちゃうことも可能なんです。ちょっと気になるパーツですよね!

モータリスト・ファクトリー
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