2023モデルのCRF250Lが発表になりました。
旧モデルと比べて、パッと見で分かるのは、
カラーリングは別として、サイドリフレクターとナックルガードの装備ですね。
サイドリフレクターは装着が義務化(ポジションランプも義務化ですが、CRFシリーズはすでに採用済み)されているので、それへの対応。
ナックルガードはCRF250RALLYには装着されているので、CRF250Lも標準となったのはうれしい対応ですね。
その新CRF250Lのリリースに「令和2年規制に対応」とも書いてありましたが、
この令和2年規制って何なのかというと、ざっくり、欧州の最新規制=ユーロ5です。
これまでは平成28年規制(ユーロ4)で、排出ガス中の有害物質量(炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物)、騒音量、自己診断機能(OBD=On Board Diagnostics)の搭載などが決められていたのですが、
ユーロ5では排出ガス中の有害物質量がさらに削減され、新たに「非メタン炭化水素」と「粒子状物質」も規制されることになりました。これに適合するために施された装備が、令和2年規制に対応ということです。
混合気(燃料と空気)を理論空燃比に近づけて完全燃焼させることで有害物質量を削減し、そのために、燃料の吐出量を緻密に制御できるフューエルインジェクションや、排出ガス中の有害物質を浄化するキャタライザー(触媒)を装備していました。ですが、さらに厳格化されたユーロ5にはそれだけでは対応できず、新たな装備が必要となったのです。
で、何が装備されたかというと、
LAF(Linear Air Fuel ratio)センサーです。
これまでは排出ガス中の酸素濃度を検知するO₂センサーが装備されていたのですが、
酸素濃度に加えて、未燃焼ガス濃度からエンジン内の燃焼空燃比を検出するLAFセンサーに変更されました。で、検出されたデータはECU(Engine Control Unit)に送られ、ECUが理論空燃比に近づけるようインジェクションを制御します。
センサーの変更に合わせてECUと触媒も変更し、有害物質を減少させてクリーンな排気を実現。
さらにOBDをOBD2-1へ変更(ユーロ5に適合し、世界的な統一規格を採用)、サイドリフレクターの装着が、令和2年規制への対応となっています。
車重はプラス1㎏で、カタログ燃費は少しだけ悪化しましたが、パワーとトルクは変わらず。
ユーロ5に対応しつつ、走りの軽快さは損なわれていないのが予想されます。
価格も2万2000円アップとなりましたが、ナックルガード代を考慮すれば、許容範囲かなと思います。
と、CRF250LのWEB記事をよく見かけましたが、令和2年規制に対応の内容が分からなかったので、ちょっと取材(大げさ)して記事化(大げさ)してみました。
本当はゴー・ライド誌面に掲載したかったのですが、WEBのスピード感には到底追いつけないので、WEBゴー・ライドにアップした次第です。
こうした取材(大げさ)もゴー・ライド本誌があるからできたことなので、
どうかゴー・ライド本誌もよろしくお願いいたします。
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