Fantic日本代理店であるモータリスト合同会社の野口代表自らが、Fanticへの想いをつづる! Fantastic FUNTIC 好評の第3回目

第3話 メーカーが提案する新しい魅力

キャバレロ・シリーズの基本はスクランブラーモデルにすべて凝縮されていますが、その基本性能が高いだけに、バリエーションを提案しやすい魅力があるのも事実です。メーカーからの提案として、レギュラーなラインナップにあるのが、フラットトラックとラリーです。

フラットトラックは、アメリカ発祥の左回りのスポーツにその由来があります。土を堅く固めてフラットにした、楕円形のレースコース=トラックをぐるぐる回る、ダートトラックともいわれるこの遊びは、二輪という乗り物の鋭さ、難しさをすべて凝縮した形となって、多くの人の心を捉えて離しません。アメリカで流行り、ヨーロッパで受け入れられ、そのスタイルがファッションにも通じて人気の増したフラットトラック。日本ではまだまだ浸透していませんが、その独特のスタイルの格好よさには、思わず引き込まれてしまう魅力があふれています。キャバレロ・フラットトラックは、とくにその魅力を分かりやすく形に整えたもの。前後19インチホイールという、この競技ではスタンダードのサイズをシティランナーであるキャバレロに装着し、絶妙に前下がりの姿勢を美しく見せながら、走りももちろん本格的。鍛え上げられた車体が、豪快にスライドさせるフラットトラックの場でも見事に応えてくれるのです。もちろん、わずかにリヤをスライドさせるだけでも充分以上に気分はフラットトラッカーです。その豊かなコントロール性がさらに楽しさを盛り上げることは間違いありません。

キャバレロシリーズの原点、スクランブラー。フロント19 /リヤ17インチホイールを採用。125、250、500の3機種。

もう1台のバリエーションが、ラリー。スクランブラーの足を長くして、オフロードの走行性能を高めたモデルですが、見た目以上に「オフロードマシン」であることも人気の秘密です。無骨さとお洒落さとが見事に融合された魅力にあふれたスタイルに加え、2㎝のクッションストローク差を豊かに使い、合わせて軽量化され延長されたスイングアームがしなやかに車体を支えます。スクランブラーが「オフでも充分以上に走れる、侮れない」モデルであるのに対し、ラリーは「オフが走れそうな並みのアドベンチャーモデルには到底まねができないほど軽快で、道なき道に踏み入っていける」出色のマルチ・パーパスモデルなのです。日本人の体格にもマッチして、本当の意味で旅に誘う、それを形だけではなく実践できるモデルは、キャバレロ・ラリーを置いて他にありません。

前後19インチホイールを装着したフラットトラック。125と250は前後130/80の同サイズ。500のリヤのみ140/80となる。

そんなスタイルをさらにお楽しみいただけるバリエーションが、スクランブラーにも用意されています。すでに好評のうちに売り切れてしまったアニバーサリーと、大人気でたちまち品薄のデラックスです。

アニバーサリーは、キャバレロを発売して50周年を経たことを記念した特別モデル。当時のキャバレロがまとったトリコロール・ストライプをあしらい、クラシックなブルーに染め上げたことで、そのヒストリーを蘇らせました。

スクランブラー・デラックスは、ストリートで映えるようモダナイズされたボディカラーが特徴。アルミニウムを想起させていたシルバーの塗色をブラックに引き締め、専用色ブラウンのシートと、それに合わせたハンドルグリップやバーパッドが、細部にこだわるデザインが身上のデラックスにさらに花を添えているのです。

ディープグレーのタンク、バーパッドとシートなどを専用色のブラウンと、アーバンなスタイルを強調したデラックス。500のみ。

こうしたバリエーションが引き立つのは、ベースモデルがしっかりしているからこそ。なおさらスタンダード・スクランブラーを自分色に染め上げていく楽しみも、輝きを増すといえるでしょう。

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